終活を考える方のお話を聞くこともありますので、茅ヶ崎市主催の人生の総決算❘終活の始め方、始めた人から幸せになるを受講しました。聞いたことをお伝えします。
終活は、人生の終わりを考えるのではなく、これから先の楽しい人生が開けてくるとイメージすることです。エンディングノート(以下ノート)を中心にした終活のお話です。
終活とは何か?
「みずからの人生を振り返り、これからどう生きるか」がテーマになります。ノートを使って振り返り、書き記していきます。ノートは一度で完成ではなく、何度も書き直し続けます。今日と同じ日がいつまで続くかわからない、そんな不安の中で、後に残った親族のことも考えてノートを残します。
ノートを書き残す目的は二つあります。一つ目は自分の為です。「自分らしい人生を生きる準備」の意味もあります。終活は自分の人生の終盤に向けて、最後まで自分らしい人生を送るための準備となります。これまでの人生を振り返り。これから残りの人生で何を大切に生きていくか。「これだけはやっておきたいこと」を整理するための時間にもなります。
ノートを記す目的の二つ目は、残された家族のためです。大切なものが、どこにあるかまとめておくと残された家族の負担が軽くなります。
年齢と幸福度の変化
現在の平均寿命は男性八十一歳、女性八十七歳といわれています。ですが自分の事が自分でできる健康寿命は、男性で七十二歳、女性で七十五歳といわれています。だからといって、自らの親に終活の相談をすると喧嘩になることもあるデリケートな問題です。
人生の幸福度というものをアメリカの大学教授が分析した結果、幸福度が最も低くなるのは四十八歳です。それからは幸福度が上り続けます。その理由は、子育てや、 親の介護、住宅ローンの返済、仕事の責任など、不安なことが全てのしかかる年齢から、心配がなくなっていき、ほっと一息していく年齢です。
年齢とともに変わることとしては、体調の充実度として男性の七十%が七十五歳頃から徐々に充実度が落ちていきます。女性は八十八%が七十代半ばから穏やかに充実度が下がっていきます。七十代半ばから徐々に健康状態が衰えていき約八割の方が衰えを感じます。しかし九十代でも充実度が高い人の共通点は、社会との関わりを、いつまでも保っている人や、自分がやりたいことを楽しんでいる方だそうです。
終活の四つの始め方
終活のスタートにおすすめの方法が四つあります。
一つ目は、身の回りの物の生前整理です。断捨離といわれる、無駄なものを捨てていくことです。
二つ目は、エンディングノートを書いておくこと。そのことによって残された家族の書類や通帳の捜索などの負担が減って、気持ちの整理に集中でき、今後に何をやるべきかがはっきり分かってきます。
三つ目は、遺言書を作成すること。法的に効果のある正式な遺言書を必要がある人は作成します。
四つ目は、お墓を決める、ご葬儀のことを決めます。
一つ目の身の回りの物の整理について、断捨離のコツがあります。子供が家から巣立った後も、子供部屋はそのままであったりする方が多いのではないでしょうか。お気に入りのものに囲まれるのも良いですが、自分の洋服であれば一年以上着ない衣類や、気に入っていても、今は似合わなくなった服があれば、捨てる箱を作って入れていく。ブランド品やアクセサリーは換金する、その際は実際の店舗で買い取ってもらうのが安全です。印刷した写真は 業者に頼んでデータ化してもらう。その後アルバムは捨てる。思い出の品は、写真に撮って残したり、リメイクしたり、リサイズして使っていく。そして写真に撮ったものは捨てる。 大きな家具、桐ダンス等の大きい家具は、地震の安全性を優先して処分する。
また物だけでなく、デジタルデータの整理をしておくということも大切です。自分以外の人が見ても、わかるようにパスワードやメールアドレスを整理して残しておくこと。自分の使っているパソコンのデスクトップに「見てねフォルダ」を作って情報をまとめておくこと。スマホの中のデータ、パソコンの中のデータ、パスワードを明らかにしておく。見てほしいデータがある時は、エンディングノートに書くか、デスクトップ上に「見てねフォルダ」を作る。
二つ目のエンディングノートの作り方。ノートには遺言書のような法的な効果がありません。自分の希望や考えを、後の人に伝えるものです。「書くぞ」と思っていると書けないので、日記のように少しずつ、書きやすい項目から書いていくのがコツです。お世話になった人への感謝を伝えることも大切です。言葉で伝えにくいことを書き残しておきましょう。
この三つの事柄をノートに書こう
エンディングノートで記載する大切な三つの事実があります。
一つは基本情報、氏名、生年月日、住所、経歴など、なるべくたくさん書いておくといいでしょう。趣味嗜好、好きなもの、食べ物、香り、本、何でもいいのでどんどん書いていきましょう。
二つには財産に関することです。金融機関名、口座番号、証券番号など大切なことなので一つにまとめておきましょう。また使っていない口座を閉鎖して、休眠預金口座がないかをよく確認して、数千円でも自分の財産を再発見しましょう。
三つには供養、相続に関する情報です。生前契約している葬儀社があれば、その情報を記します。墓地があれば、年間管理費の振込引き落とし口座の情報や、遺言書があればそのことも書きましょう。
医療的ケアの選択
エンディングノートには亡くなった後に、どのようにして欲しいかという希望を伝えることができます。さらに最近では、生きている間の医療に関する希望を決めておくことによって、自分自身も遺族も幸せになる方法を選ぶことができます。人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング) といわれるもので、どこまで治療をするかを決めておく事です。 まず、余命の告知をして欲しいか。そして延命治療をしたいか。最後に、どこで最後を迎えたいのか。これらは希望なので、できないこともありますが、亡くなった後に自宅に帰るという方法で願いをかなえて遺族が安心することもあります。
③遺言書の作成について
三番目の遺言書については、残す人がどんどんと増えており、ここ十年で最高の件数になっています。平成元年から比べれば二.五倍の方が遺言書を残しております。相続が争族(そうぞく)にならないように遺言書を作るとおすすめです。仲が悪い親族ほど遺言書で決めておいた方が良いです。その際は法的に有効なものを作成しましょう。
人生最後のイベント、お葬儀をどうするかということについて、自分がどうしたいのか 、誰のためにやるのかを考えると良いでしょう。葬儀は、通夜葬儀のある家族葬が五十%、通夜葬儀のある一般層が三十%、一日葬が十%、直送(火葬式)が十%が去年のお葬式に関する全国調査の統計です。
お墓は自分で管理するのではなく、手間のかからない方法を求める方が多いようです。二〇二四年の統計でお墓選びで大切にすることは、お墓の種類をが最重視されています。後継者が不要のお墓を購入した人が全体の六十四%。購入したお墓の種類としては、樹木葬が四十九%、一般のお墓が二十二%、納骨堂が二十%です。樹木葬は、他のお墓のような年間管理費がかからないという特徴があります。
二番目は金額や、自宅からの距離です。自宅からお墓までの平均所要時間は三十一分となっています。
終わりに
終活は元気なときから、やりやすいことから初めることが大切です。またエンディングノートは書ける所だけでも埋めていくことをおすすめします。
終活は自分の人生の終盤に向けて、最後まで自分らしい人生を送るための準備となります。講師の方は、親の好きな香りや好きな曲を知ったことで、介護の間に親の好きな香りを用意したり、曲をかけることができて介護の満足度が上がったというお話しをしていました。
私はお寺の住職として葬送に関わるなかで、終活に興味があったので今回の講義に参加しました。どんな人も若いうちから準備して情報を残しておく方が良いと思いました。私もエンディングノートを書いてみようと思います。葬儀や法事で関わるご遺族の方から、口座番号や本籍地のことなど大変苦労したというお話を様々教えて頂いていたので、パスワードを一つのファイルにまとめて保存しています。
また、治療の選択が正しかったのかと悩み苦しむご遺族もおられます。「本人が望んだのだから、これで良かったんだ」とわかっていたら少しでも悩みが軽くなるのではないでしょうか。
また、想像以上に維持費不要のお墓が人気なのだと分かりました。いままでのお墓の維持の方法に納得ができない方が多かったのでしょう。お寺として他人事ではないと思いました。
実際に書いてみようと思われた方は、茅ヶ崎市が発行している無料のエンディングノートがありますので、「わたしの覚え書き 希望のわだち」で検索してみて下さい。