須弥壇収骨と祖廟納骨

(寺報40号再掲載修正版)

須弥壇収骨

 京都・東本願寺では、ご遺骨を本山の御影堂に納めることができます。これを「須弥壇収骨」といいます。
 もともとは「亡くなったあとも親鸞聖人のそばにいたい」という願いから始まったもので、今も全国各地から多くのご門徒が収骨に訪れています。

 亡くなる方にとっては、同じ信仰をもつ仲間と共に納められる安心があります。代々本山に収骨していれば、名字が違っても親や祖先と同じ場所に眠れる喜びもあります。つまり「死んで会えなくなった人と、もう一度出会える場所」でもあるのです。

 また遺された家族にとっても、本山にお参りすれば両親や祖父母、同じお寺でご縁のあった方々に一度に会うことができます。実際に、住職の祖父母もこの須弥壇に納められています。

 収骨は境内の限られた空間のため、七センチ角の木箱に入るご遺骨のみを納めます。したがって、ご遺骨の一部を分骨しておさめる形になります。手続きは12万円以上の懇志で可能です。

大谷祖廟納骨

 もう一つの方法が「大谷祖廟納骨」です。これは、親鸞聖人のお墓である大谷祖廟(京都・円山公園、八坂神社の裏手)にご遺骨を納めるものです。

 ここには親鸞聖人、蓮如上人をはじめ、歴代の本願寺住職、さらには全国のご門徒のご遺骨が納められています。

 祖廟納骨は「お墓」ですので、ご遺骨をすべて納めることができます。ただし、納められたご遺骨は一カ所に集められる「合葬」の形となります。手続きは骨壺の中身すべてで4万円以上の懇志で可能です。

活用の仕方

 近年、「将来、無縁墓になるならお墓を建てたくない」「両親のお墓はあるが引き継ぐ人がいない」といった悩みをよく耳にします。
 そうした方におすすめしているのが、須弥壇収骨や大谷祖廟納骨の活用です。

 たとえば、遺骨の一部を本山の須弥壇に収骨し、残りを大谷祖廟に納骨すれば、夫婦の遺骨を一緒に納めても、お墓を新しく求めるよりも費用を抑えられます。また、将来「無縁墓」として撤去される心配もありません。

 もちろん、本山での収骨は「遺骨の処分」ではありません。仏法を受け伝え、本山を護るという願いから生まれた先人の智慧です。

アクセス

  • 東本願寺 … JR京都駅から徒歩10分ほど
  • 大谷祖廟 … 京都市八坂神社裏、円山公園に隣接(桜の名所としても知られています)

お墓を建てるかわりに、京都に足を運び、本山への参拝を続けていくという選択肢はいかがでしょうか。

2025-09-01 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : stan