『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』

宮部みゆき著

角川文庫

 続き物の第五巻なのですが、ちょうどシーズン1の締めくくりです。是非一巻目の『おそろし』から読むのをお薦めします。

 とある事件が原因でふさぎ込んでしまった娘おちかが主人公。おちかは、江戸の町でお店を営む叔父夫婦の家に行儀見習いとして住み込みます。この叔父さんが、屋敷に人を招いて、不思議な体験を聞くという変わり百物語を開いており、姪っ子のおちかに、自分の名代として聞き役を任せると言うのですが、どうなる?というお話。語られる話は、かなり怖い話あり、ちょっとほのぼのした話ありで、どの巻もどんどん読めてしまう面白さ。人間の弱さや醜さも隠さないので、物語の緩急に夢中になれて、登場人物が好きになれます。話を聞くおちかの心が徐々に変化していく様子にも惹きつけられます。

 この変わり百物語は聞いた話は外部に漏らさない「聞いて聞き捨て、語って語り捨て」というルールなのですが、話し聞くことで、聞き手話し手どちらにも様々な影響があるのだなあと感じさせる小説です。

坊守