お祓いを頼まれたこと 釋龍源

亡くなった方のお祓いについて

 自宅で亡くなった方のお祓いをしてほしいという相談を受けました。
 ただ自宅で亡くなったという理由でお祓いが必要だという話を聞き、とても驚きました。

 気になってインターネットで調べてみると、お祓いの料金表が出てきました。心中や自死、殺人という悲しい亡くなり方をした場合の費用が高いだけでなく、自宅で病気で亡くなった方に対するお祓いについても書かれていました。また、一部の神社では「お祓い証明書」を発行しているそうです。

 神道ではお祓いが行われますが、仏教では厄払いしかできないと書かれていました。ただし、寺院によっては除霊というものが存在するようです。

 お祓いを相談された方は不動産会社から、お祓いをお願いされて、後に神社に相談したそうです。

 昔は「畳の上で死にたい」と言い、病院での看取りをこばむ人が多かったです。現在でも「自宅に帰りたい」と願いながら亡くなる方はたくさんいらっしゃいます。2022年の人口動態調査によると、自宅で亡くなる人の割合は17%、病院で亡くなる人は64%、介護施設・老人ホームが8%だそうです。

「自宅で亡くなる」が問題になる社会

 かつては当たり前だった「家で看取る」という文化が薄れつつあると感じます。それどころか、「自宅で亡くなったこと」自体をお祓いの対象とする価値観を持つ人もいるのです。

 家を購入する際、前の持ち主がそこで亡くなったことをマイナスに感じる人がいるのも、その一例でしょう。しかし、そもそも「誰も亡くなったことがない場所」など、この世に存在するのでしょうか。

 最近では「新しいマナー」と称して、これまでのやり方を批判する「マナー講師」が問題視されています。このお祓いの話も、それに似ていると感じました。今まで普通に亡くなっていた人々を、あたかも不吉な存在のように扱い、お祓いや除霊の対象にしてしまう――それは非常に衝撃的な話です。

浄土真宗の考え方

 浄土真宗では、お祓いや除霊といった「亡くなった人を貶める行為」は行いません。なぜなら、命を終えた人は阿弥陀如来の願いの力によって極楽浄土へ往生すると信じているからです。

 また、悟りを開いた仏陀(ブッダ)でない限り、悪を退けることはできません。この地球上で、人の肉体を持った仏陀は2500年前に生まれたお釈迦様だけです。次は56億7000万年後に生まれる弥勒菩薩を待つしかありません。仏陀のふりをして「自分は魔を払える」と主張する人がいるとすれば、それは人々を惑わせ、仏教の教えから遠ざけようとする行為です。

2025-03-11 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : stan