グリーフのゆらぎ 釋龍源
グリーフとは喪失による身心の変化のことです。グリーフには人それぞれの個別のものと、共通のものがあります。グリーフを感じた人同士で、おたがいに話し合うことで、重なっているところを見つけたり、自分はここが違うんだなということに気づいたりすることが大切です。 リンゴが好きといっても、酸っぱいところが好きという人もいます。「グリーフは人それぞれで良い」ということでもあります。
そしてグリーフはプロセスです。プロセスとは変化していく過程です。グリーフは時間や観経の変化で移り変わっていきます。あれで良かったと思える日もあれば、あれが無ければと思う日もあります。
またグリーフの種類には予期悲嘆といって、本格的な悲しみを想像して悲しくなる、将来の別れを想像して悲しむというものもあります。
つまりグリーフには「ゆらぎ」があって良いのです。揺らいでいいのです。悲嘆傾向にある時と回復傾向にある時、そのことを繰り返しながら人は生きていきます。
時薬(ときぐすり)という考え方があります。時間がたてば、また以前のような生活が送れるとという考え方です。時薬で成功することもありますが、悲しみにはいくつもの種類があって人それぞれ感じ方が違うものです。軽い悲しみも、重い悲しみも、時薬でどうにかなるものではありません。思い出して悲しくなったり、楽しいことを考えたり、そういうことを繰り返しながら生きていく、そのプロセスのなかで自分の感情に気づいていくことが大切なことです。