『ほしとんで』(全五巻)


ジーンLINEコミックス 本田

 つい先日最終巻が出たばかりの俳句を題材にした漫画です。

 舞台は芸術や文学などの創作を志す学生が集う大学。偶然俳句のゼミに入ることになった初心者の一年生達の学びを面白く読んでいくうちに、読んでいるこちらも俳句の基本を知っていける漫画です。

 最終刊まで読んで印象に残ったのは、句会、吟行、連句といったコミュニケーションが重要な、人と一緒に行うものについてでした。特に最終巻の連句は、ゲームのようにルールがあり、エキサイティングでわくわくしました。

 前の人の句に付ける句は、場面転換が必要だったり、使ってはいけないジャンルの言葉があるので難しいところもありますが、思わぬ言葉が出てくるなど、即興ならではの楽しみがあるように感じました。

 誰かが先に詠んでしまうかも、自分の句が選んでもらえるかどうかといった競争の要素もあるけれど、捌き(その場を仕切ったり、句を選ぶ係)を務める先生の説明や指導だったり、一同のわいわいした雰囲気もよかったです。集まったメンバーの性格や捌きの手腕で、雰囲気が変化しそうなところも面白いと思いました。

 なお、この漫画の世界ではコロナの流行は起こっていないので、ごく普通に対面授業が行われています。もし今の現実が違っていたら、この感想も違うものだったのかもと思ったりもしました。

 人と会って何かをしたくても、大きな不安を抱かずにはいられない現状は、フィクションを楽しんでいる時にも影響しているようです。

2021-09-27 | カテゴリー : 感想 | 投稿者 : stan