釋尼光智
三月二十日、宗泉寺本堂にて永代経御紐解法要と春のお彼岸の法要をお勤めしました。
当日は、お参りいただきありがとうございました。お参りくださった方以外にも、御懇志やお供えをお送りいただきました。また電話や手紙で近況をお知らせくださった方もいて、なんとも嬉しく思いました。
法話は練馬区の東京教務所から粟生剛先生に来ていただき「浄土真宗の宗風」のお話をいただきました。
印象に残ったのは、真宗は聞法の道場だから参詣席が広い作りになっているというお話です。
よほど意識しない限り気づかないし、集まりなどで同じ宗派のお寺を訪ねることはあっても、あまり他宗のお寺に行く機会が無いので、とても意外でした。愛知県蒲郡のお寺の住職であり、宗派の職員でもあるという立場から様々な土地のお寺や門徒さんと関わってきた方だからこそのお話なのかなと思いました。
受け継がれてきた特徴を知って大切にしながら、今の時代にあった工夫をしていかないとなあと思った事でした。
法話の要点
釋龍源
粟生剛師のお話「真宗の宗風」で印象に残ったことを書きます。
「コロナですごい人出ですね」とインタビューを受けた人も混雑の原因の一つなのに、自分の事は数に入れない。渋滞の時も、なんで外出自粛なのに混んでるんだと怒ってもやはり自分は数に入っていない。いつも自分は正しい立場にいて周りが悪いと思っている。
真宗の教えが伝わって来たのも勤行(おつとめ)があるから、歴史の中で、私も先人が受け継いだものを確かめてゆくことがお勤めの意味だ。
教えを聞く聞法が大切にされてきた。法要をするだけでなく教えを聞いて私自身を見せていただく。「経教はこれを喩(たと)うるに鏡のごとし」教えを鏡として自分自身の事を教えてもらうのが聞法ということ。「物忌み(ものいみ)をしない」も真宗の特徴。日の善し悪しにとらわれない。占いやおまじないを頼りとしない。
真宗の宗風として「勤行・聞法・物忌み知らず」の三つをあげてお話して頂きました。身近なお話が多く、ご参詣の皆様も喜んでおりました。