『雑貨店とある』(既刊1~3巻)

芳文社コミックス 上村 五十鈴

 ホッと一息つけるお気に入りのお店みたいなマンガです。

 生活雑貨を扱うお店には、おいしいおやつとお茶を出すカフェが併設されていて、おおらかな店長としっかりもののアルバイトエチゴがおもてなししてくれます。そのお店に集う人たちの物語です。

 面白いのは、登場人物の事情が両側から描かれているところです。

 例えば常連の落ち着いた素敵なお姉さんふうのコウ、そのコウに憧れるサツマイモ大好きなカナ。親切なコウに一方的にカナが憧れているふうですが、反対からみればコウはカナに助けられたという思いを持っています。

 他にも、エチゴとお店に来るお客さん達を中心に、それぞれの視点から物語が進んでいきます。キャラクター同士の関わりが、あるときはコミカルにあるときは切実に描かれます。おやつについての歴史や思い出が一緒に語られるところも面白いくて、登場するおやつを食べたくなります。

2021-05-12 | カテゴリー : 感想 | 投稿者 : stan