2021 自死者追弔法要を勤修しました

 昨年12月3日に、宗泉寺本堂において、自死者追弔法要をお勤めしました。

 参詣の皆さんとお勤めをしました。法要中には希望者にご持参いただいたお手紙を御尊前にお供えしていただきました。

 住職の法話の後に、お互いのお話を聞きあう時間を持ちました。話しあいの時間が終わった後も参加者同士でお話しをしておりました。

 対象を限定した追弔法要は初めてでしたので、不慣れなところもあったと思いますが、参加者の皆様と今回の法要を作る事ができました。


◆法要のきっかけ 釋龍源

 以前から自死者への特別な法要はしたいと思っていました。

 なぜそんな事を思うのかというと、自死遺族の方の法要やご葬儀をお勤めさせていただいた時に、各ご家庭でお話しを聞かせていただくことがあります。

 ですが、ご法事の場では親族や親子がいる中でご遺族は思っていることをお話しできないだろう感じていました。

 また力及ばず私がふさわしい聞き役になれないということもあります。

 やはり求められているのは、かけがえのない方を亡くされた人が同じように亡くされた方のお話しを聞き、話すこと。一緒に走ってくれる伴走者を探すということが大切なのではと感じていました。同じ境遇にあったかた同士で気持ちの共有ができればと願っております。

「あなたのことはわかっている」という善人のおしつけが

 かえって溝を深める

 むしろ「人のいたみは察すれどおよばず」という

 (つつ)ましさこそが友情と信頼に基づく同朋精神を育んでゆく

という言葉がございます。

 あなたのことはわかっているという、助けてあげるという心では、心の溝が深まる。むしろ人の痛みは察する、想像するくらいのことはできるけれど痛みを全部理解する事なんてできないという慎ましさをもってこの会を進めたいと思います。決して導こうとか、正してやろうという考えの会ではありません。


 以下は、寺報への掲載を許可して下さった参加者の感想です。数字はXにさせていただきました。

◆参加者の感想

今回はとても良い会だったと思います。本当に誰もいらっしゃらないなら帰ろうと思いましたが帰らなくて良かったです。

 お経を聞いて何だかわからないけど自死してしまった人と残された者の事を心配してくださる気がして泣けて泣けてしかたがありませんでした。

 法話のお言葉もなるほどと感じましたし、その後の座談も同じ思いをしている人が自分だけでなく、皆さん大変な思いをしていらっしゃる事。

 X年前にお子さんを亡くされた方の「人数が増えないといいですね」の一言。本当にずっとX人だけだったら良いのにと願いました。

 

○本日はこの会を開催してくださり、ありがとうございました。時間超過して申し訳ありません。

 わかちあいの時間はもう少し長めに取ってくださった方がありがたいと思います。初回だからなおさらかもしれませんが、お話ししたいことがたくさんあったのだと思います。

 今まで心の中で溜めたものを吐き出したい、吐き出せる場所を提供してくださったことに安心していらっしゃるのだと思います。この会の継続を希望いたします。

2022 修正会勤まる

 1月1日午前10時より、宗泉寺本堂にて修正会を参詣者とお勤めしました。正信偈と御文の拝読、法話をしました。

 朝のお勤めは1月1日から“繰り読み”とよばれ、お勤めの内容が変わっていきます。

 朝のお参りをお朝事(おあさじ)といいます。毎朝正信偈と、親鸞聖人がお書きになった御和讃326首と、蓮如上人がお書きになったお手紙(おふみ)80通を順番に読みます。

 その繰り読みも1月1日にリセットされて和讃一首目と御文1-1から読み始めます。ですからお正月には本山から末寺、また各ご家庭でも同じお勤めがあがります。

 これも新しい年を迎えて新たな気持ちでお参りをする、お正月らしい習慣です。

 今年もまだコロナの心配が続きますが、顔を合わせて新年の挨拶ができたことで、ホッとできる時間が持てました。ご参詣ありがとうございました。

亡き人をとむらう

 最近の傾向として葬儀の簡略化や葬儀不要・墓不要のお話を聞くようになってきました。

 (株)冠婚葬祭総合研究所の調査の結果では図一の様な結果になったそうです。

 自分の葬儀についてはお金がかかるから等、やらなくて良いという方が25%です。

しかし家族の葬儀については9割の方がきちんと葬儀をしたいと思っています。

 葬儀や法要は自分の考える通りにしたいという方が増えていますが、家族や友人にとって最後にお別れやお礼を伝える機会は本当に大切なものです。

 私のための法事は申し訳ないと本人が思っていても、家族がお参りする機会を奪わないで欲しいと思います。

 是非とも生きている間にご家族とよく話し合っていただければと願います。

つなぎ手プロジェクト

2021年 修正会勤まる

 一月一日午前十時より、宗泉寺本堂にて修正会をお勤めしました。年末年始にかけて感染者数の増加や医療現場の逼迫の報道を目にして、集まっていいのか迷ったのですが、マスク付きでもお互いの顔を見て、新年の挨拶もできて、温かい雰囲気のなかで無事にお勤めができたことをうれしく思いました。


 住職の法話は、新年恒例の御文の一帖一通目についてでした。


 「コロナウィルス流行によってこの一年は自らの生活を振り返る事の多い一年であったでしょう。旅行に行く、おいしい物を食べる。そういった事が幸せだと思って生活してきた中で、それができなくなったとき何が私にとって幸せなのかと考える大切なきっかけとなりました。
 新しい年を迎え、できたことができなくなったと嘆く生活ではなく、日々の小さな喜びを味わっていただけたらと願います。
 御文には“嬉しさを昔は袖に包みけり 今宵は身にも余りぬるかな”という詩が詠まれています。教えに出会えた喜びは袖に入る様な小さなものであったが、今は身に余るほどの喜びに変わったという詩です。教えは同じでも受け取る側が変わったということです」


 

例年と変わらぬ昨年一月とコロナ禍中の今年の一月では状況が変化しています。
 楽しみにしている旅行や会食ができなかったり、会いたい人にも気軽に会えない状況で、本当の幸せとは何かという問いも重みが違って受け止められたのではないでしょうか。
 なお、新年会の会食を中止にする、マスク着用、椅子は離して、換気、手の消毒など、去年に引き続き参詣の皆様にご理解とご協力をいただきました。
個々のご法事でも感染症予防のため同じように対応しております。

2021年 年回表

年回表はあくまで目安です。表の通りでなくても法要をお勤めできます。毎月のご命日・祥月命日のお参りもしております。

年回年回に当たる没年
一周忌令和2年2020年
三回忌平成31年/令和元年2019年
七回忌平成27年2015年
十三回忌平成21年2009年
十七回忌平成17年2005年
二十三回忌平成11年1999年
二十七回忌平成7年1995年
三十三回忌昭和64年/平成元年1989年
三十七回忌昭和60年1985年
四十三回忌昭和54年1979年
四十七回忌昭和50年1975年
五十回忌昭和47年1972年
百回忌大正11年1922年

2020秋 聞法会でのお話

 現在はコロナ対策として、距離を取って座る、時間を短縮、マスクを付けての参加、お茶タイムはなしで、住職が前に出て話しをする法話をしています。

十月十日 法事とは?

 台風の中数人が来て下さいました。「浄土真宗の法事とは?」というお話をしました。ご法事では読経をしますが、それを何のためにするかという目的の違いについて話しをしました。

 一つは亡くなった方のために読経という善いことをして、お経の功徳の亡き人に向けるという追善回向のご法事が一般的です。 

 二つには亡くなった方をきっかけに、生きている私達がお経を聞かせてもらういうご法事です。

 浄土真宗は二つ目の考え方に基づいてご法事をお勤めしております。本願力回向と言いまして仏様から願いが向けられている法要なんだというお話をしました。

 十一月十八日 末代無智

 報恩講の法話にも取り上げられた『御文』についてお話をしました。親鸞さんのいた鎌倉時代も今の時代も末法の世。「たとひ罪業は深重なりとも、かならず弥陀如来すくひましますべし」(たとえ私の罪が深く重くとも、必ず阿弥陀如来は救って下さいます)という一文があるのが末代無知の御文です。一つ一つ意味を考えながら読んでいくと、新鮮に感じます。

今後の開催予定は宗泉寺の行事予定をご覧下さい。

ご法事の延期について  

 結論から言えば、延期していただいて大丈夫です。

 コロナウイルスの感染拡大予防のため、神奈川県でも緊急事態宣言が出されるなど、この先がわからない状況が続いています。

 そうした中で「ご法事を延期したいけれど大丈夫?」という相談が寄せられる様になりました。

 年回表や四十九日の予定は、ひとつのめやすと考えて下さい。予定の日よりも先に勤めようが後に勤めようが、亡くなった方を思い、教えを聞く時間の尊さに違いは無いと考えます。

 コロナウィルスが終息した後、予定を立てて御連絡いただいても、ご法事を受付します。数ヶ月や一年後に延期していただいても大丈夫です。 お寺へのご法事申し込みがお済みの方で、延期したい、中止したいと言う方も御連絡いただければ対応いたします。お電話下さい。

 ※ 追記

 法要の延期をしてもよいのかと悩む方がいる一方で、法要をしてもらえるのですか?というご相談も寄せられています。

 宗泉寺では本堂を使用しての法要、会場やご自宅へ伺っての法要を継続しています。ご相談下さい。

 今は営業を自粛している会場やお店が多いから、ご心配されているのだと思います。遠方のご親戚が来られない、小さなお子さんやご高齢の方は心配なので出られない、など普段より規模を小さく勤められる方が多いようです。

 お寺の本堂での法事が終わった後に、御本尊の前で集合写真を撮る方もいます。今は気軽にメール等で写真も送れるので、来るのが難しい方に見せるのもいいと思います。

 法事を延期するのもしないのも、ご家族で相談していただいて、それぞれに、やりやすいように勤めていただくのがよいと思います。

 お寺の方としては、僧侶もマスクを着用、手の消毒液を用意する、本堂のイスの間隔を開け、窓を開けて換気をしながらご法事を勤めるなどの工夫をしています。

 熱がある、体調が良くないという方にはお参りを遠慮していただく、マスクを着用していただくなど、しばらくはお参りの方にもご配慮をお願いいたします。