2023夏 自死者追弔法要報告

 2023年6月5日に宗泉寺本堂にてお勤めしました。

 皆さんで正信偈をお勤めしたあと、住職から少しお話しをさせていただき、その後お互いのお話しを聞きあう会を行いました。

 許可を得て、参加された方の感想を掲載します。


○参加していつも思うことは、お寺さんで気にかけて下さっているありがたさです。子供の事を思わない日はないけれど 親が下を向いていたら子供は喜んではくれないだろう。少しでも前を向いていこうと思います。


○今日は、ありがとうございました。

 やっぱりまだ人から見ると心配させる人なんだと痛感しました。

 でも世の中の人は、やさしい人が多いのだという事も今日思いました。

 みんな何かを抱えて生きていて、最後まで人生を生きるって本当にすごい事なのだと気づきました。少しは、人を信じてみたいと思います。

 この法要は、自死で亡くなった方を追弔し、遺族の方に寄り添う機会になればと思い開催しています。


 グリーフ(喪失)を抱えやすくするためのケアという考え方があります。以前にお話を聞かせて頂いたリヴオンというグリーフケア活動をしている団体の講師の方の「ままに」という言葉が、今も印象に残っています。大事な誰かを亡くした時にどう感じるかは、その人によって色々で、そのままを大事にしたいということだったと思います。

 皆さんで思いを尊重し合いながら、安心して“そのまま”を聞きあう場をつくれたらと願っています。

コラム TALKの原則

 身近な人「死にたい」と訴えられたり、自殺の危険の高まった人に出会ったとき、相談された人が不安になったり、その気持ちを否定したくなって「大丈夫、頑張れば元気になる」と安易に励ましたり、「死ぬなんて馬鹿なことを考えるな」と叱ったりしがちです。

 しかし、それでは、せっかく開き始めた心が閉ざされてしまいます。自殺の危険が高まった人への対応においては、次のようなTALKの原則の原則が求められます。

 TALKの原則

(T)Tell:言葉に出して心配していることを伝える。「大丈夫?」「心配だよ」

(A)Ask:「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる。「どんな時に死にたくなるの?」

(L)Listen:絶望的な気持ちを傾聴する。話を遮らず最後まで聞く。

(K)Keep safe:安全を確保する。危険な環境なら引き離す。