昨年12月3日に、宗泉寺本堂において、自死者追弔法要をお勤めしました。
参詣の皆さんとお勤めをしました。法要中には希望者にご持参いただいたお手紙を御尊前にお供えしていただきました。
住職の法話の後に、お互いのお話を聞きあう時間を持ちました。話しあいの時間が終わった後も参加者同士でお話しをしておりました。
対象を限定した追弔法要は初めてでしたので、不慣れなところもあったと思いますが、参加者の皆様と今回の法要を作る事ができました。
◆法要のきっかけ 釋龍源
以前から自死者への特別な法要はしたいと思っていました。
なぜそんな事を思うのかというと、自死遺族の方の法要やご葬儀をお勤めさせていただいた時に、各ご家庭でお話しを聞かせていただくことがあります。
ですが、ご法事の場では親族や親子がいる中でご遺族は思っていることをお話しできないだろう感じていました。
また力及ばず私がふさわしい聞き役になれないということもあります。
やはり求められているのは、かけがえのない方を亡くされた人が同じように亡くされた方のお話しを聞き、話すこと。一緒に走ってくれる伴走者を探すということが大切なのではと感じていました。同じ境遇にあったかた同士で気持ちの共有ができればと願っております。
「あなたのことはわかっている」という善人のおしつけが
かえって溝を深める
むしろ「人のいたみは察すれどおよばず」という
慎ましさこそが友情と信頼に基づく同朋精神を育んでゆく
という言葉がございます。
あなたのことはわかっているという、助けてあげるという心では、心の溝が深まる。むしろ人の痛みは察する、想像するくらいのことはできるけれど痛みを全部理解する事なんてできないという慎ましさをもってこの会を進めたいと思います。決して導こうとか、正してやろうという考えの会ではありません。
以下は、寺報への掲載を許可して下さった参加者の感想です。数字はXにさせていただきました。
◆参加者の感想
○今回はとても良い会だったと思います。本当に誰もいらっしゃらないなら帰ろうと思いましたが帰らなくて良かったです。
お経を聞いて何だかわからないけど自死してしまった人と残された者の事を心配してくださる気がして泣けて泣けてしかたがありませんでした。
法話のお言葉もなるほどと感じましたし、その後の座談も同じ思いをしている人が自分だけでなく、皆さん大変な思いをしていらっしゃる事。
X年前にお子さんを亡くされた方の「人数が増えないといいですね」の一言。本当にずっとX人だけだったら良いのにと願いました。
○本日はこの会を開催してくださり、ありがとうございました。時間超過して申し訳ありません。
わかちあいの時間はもう少し長めに取ってくださった方がありがたいと思います。初回だからなおさらかもしれませんが、お話ししたいことがたくさんあったのだと思います。
今まで心の中で溜めたものを吐き出したい、吐き出せる場所を提供してくださったことに安心していらっしゃるのだと思います。この会の継続を希望いたします。