2021 報恩講・秋彼岸会法要 勤修

 ワクチン接種が進んではいましたが、まだまだコロナ感染が心配な時期でしたので、申し込み制で人数制限をしてのお勤めになりました。 参加は難しいのでと懇志を送って下さったり、インターネット動画での配信を見て下さった方もいました。それぞれの方法でお彼岸、報恩講に思いを寄せて下さっているのが感じられ、有り難かったです。

 講師の先生に遠方から来ていただいて良いのかも悩みましたが、直接御法話を聞かせていただきました。

 滋賀県東近江市より、瓜生崇先生においでいただきました。滋賀の大谷派のお寺のご住職で、日本全国で御法話をされています。宗泉寺でも何度かお話をしていただいています。

 今回は大谷派で大切にされているお経のひとつである『仏説観無量寿経』についてお話しいただきました。

 おおざっぱにですが、どういう内容なのかあらすじを記します。

 『観無量寿経』と言うお経は、古代インドの国、マガダ国の王子アジャセが、仏弟子ダイバダッタにそそのかされます。父であるビンバシャラ王を幽閉し殺害しようとします。次いで母イダイケ夫人が幽閉されたというお話です。

 次に、閉じ込められたイダイケ夫人の願いに答えてお釈迦様が現れます。

 イダイケ夫人は「何でこんな目にあわなきゃならないんだ」とお釈迦様に愚痴をこぼします。「どうかこんな親子が殺し合う世界ではない、どこか良い世界を教えて欲しい」と願います。

 お釈迦様は全宇宙の尊い方が治める世界を一つ一つイダイケ夫人に見せます。夫人は、その中で阿弥陀仏の世界(安楽国)に生まれたいと願いを起こします。イダイケ夫人は「私はお釈迦様の力で安楽国を観ることができましたが、後の世の人はどうすれば安楽国の世界に触れて安らぐことができるでしょう

か」と教えを請い、お釈迦様が応えるという内容になっています。

「無量寿(阿弥陀)仏を観るお経」ということから歓無量寿経というタイトルになっています。

細かな内容や大事なところを先生がとても詳しく面白くお話しして下さったのですが、中でもお釈迦様を前にしていきどおるイダイケが瓔珞を引きちぎって投げ捨てる姿と、ある先生が法話で病気が重くなるにつれて念仏をありがたがっていたお婆さんが嘆き悲しむ姿をありがたいものと言われた話が特に印象に残っています。人はどんなときでも格好を付けたいと思っているという指摘に、とても思い当たって。格好をつけたいと思っている自分を見ないようにしていたと思いました。