お内仏(お仏壇)ナビ

ご本尊について
 お寺にお参りする時に手をあわすものがあると思います。お寺の扉が開いていなければ建物に合掌しているように見えるかもしれませんが、お堂の中にあるご本尊に手をあわせているのです。広いお寺もご本尊を安置するために用意されています。それ程大切にされている「本当に尊いもの」ということで本尊といわれます。
 各宗派様々なご本尊がありますが,浄土真宗では南無阿弥陀仏を本尊としております。そして絵で南無阿弥陀仏をあらわしたものとして、阿弥陀如来が立っている絵像を本尊として安置します。
 ご本尊は本山(京都東本願寺)から授けられるものです。町の仏壇屋さんで購入したもとは違うということをご説明します。
 ご本尊は本山にある絵表所という部署で作られます。東本願寺ができた千六百年代にはあった部署だそうです。そこは絵師と表具師が協力して本尊を作成しています。絵師も表具師も宗務総長(宗派内での総理大臣のような役目をする人)が任命しておりますので、良い仕事をする職人が選ばれています。その絵師によって手書きで書かれた絵像に、表具師が表装して完成します。印刷ではありませんので絵像のお顔も少しずつ違うようです。
 金色についても印刷の金箔押しと違い、本山のご本尊は本金を使った金泥で金色を表現しています。また截金(きりかね)といって本金箔を絵のとおりに切って阿弥陀如来の輝きをより強く見せる截金の本尊もあります。
 他にも、ただ紙と紙をのりで貼り付けたのでは無く表装するのにも理由があります。もともと床の間に掛けてお参りをするご本尊がちいさくなったものが、今のご家庭で使われているご本尊です。しっかりと表装した本尊は巻物のように巻くことができます。またお線香などで絵像が見えなくなれば表装をはがして、洗い、表装し直せば何年でも使うことができます。博物館にある美術品の掛け軸も表装し直すことで数百年間綺麗に保っています。
 そして、仏壇屋さんの本尊との一番の違いは裏書きです。これは掛け軸の裏側に本願寺住職(門首)の法名が書かれています。このご本尊は教えにもとづいて描かれた本尊ですという本願寺の住職のお墨付きです。
 もちろん町の仏壇屋さんで買ったご本尊が偽物だということではありません。南無阿弥陀仏の本願は、「選ばず、嫌わず、見捨てず」です。自筆の南無阿弥陀仏を本尊にしてもかまいません。しかし毎日手を合わせ礼拝するものですから、全国の御門徒(信者)と同じ本山授与のご本尊に手を合わせたいものです。


お内仏(お仏壇)の荘厳(おかざり)
 (1)本尊―阿弥陀如来立像(御絵像)
 (2)脇掛―右「歸命盡十方無碍光如来」(十字名号)又は親鸞聖人の御影
 (3)脇掛―左「南無不可思議光如来」(九字名号)又は蓮如上人の御影
 (4)法名軸―お内仏の左右の側面に掛ける。位牌は用いない。
 (5)法名軸(左)―総法名軸(合幅の法名軸)
 (6)宮殿―須弥壇の上に阿弥陀如來を安置する仏殿。
 (7)金灯篭―本尊がよく拝めるようにあかりとして灯す。平常は用いない。
 (8)須弥壇―仏像を安置する壇。
 (9)上卓―須弥壇の上に置く卓。
 (10)華瓶―水を備える器。樒または青葉をさす。
 (11)火舎香炉―焼香をするもの。使用するときは、炭火を入れ、これに沈香あるいは五種香(香木をけずったもの)を焼香する。
 (12)前卓―須弥壇の前に置く卓。
 (13)花瓶―必ず生花を用い、松やヒノキなどを真にして、四季折々の花をさす。
 (14)土香炉―毎日のお勤めの前に燃香(線香をたく)する。線香は立てずに、適当に折り横にして焚く。
 (15)鶴亀(燭台)平常時は朱の木蝋を立てておく。
 (16)木蝋
 (17)輪灯―勤行時に点ずる。
 (18)御文箱―蓮如上人のお手紙(御文)を収める箱。
 (19)御経卓―和讃卓
 (20)鈴―勤行の時以外は打たない。
 (21)鈴台
 (22)撥―鈴を打つもの。勤行時以外は、鈴の中の手前におさめておく。

本山授与 掛軸御本尊 二万三千円より
※本尊は本山(東本願寺)から授かりましょう


 真宗大谷派には決まった仏具があります。
 お仏具をお買い求めの際は、
 ぜひ大谷派のお荘厳をそろえましょう。

 三具足
 1.鶴亀の燭台
 2.香炉([金の香炉]または[透かしの土香炉])
 3.花瓶(生花を生けてください)


 お内仏(お仏壇)を置く場所がない。
 部屋が狭いのでという方の礼拜の場所として、
 三折(みつおり)本尊というお荘厳もございます。

 三つにたためる本尊で、広げて幅30cm程
 たたむとハガキ二枚程の大きさです。

 ※お仏壇で悩む前にご本尊を決めましょう。

本山授与 三折御本尊 二万五千円
(仏具はついていません)



法名軸とお位牌
 お位牌のことを聞かれることが多いのですが浄土真宗ではお位牌を必要としません。
葬儀の時に仮に「白木のお位牌」を使用しますが、本来は必要ありません。他宗からの影響で、法名を参詣者に見せるという習慣ができたために、字数が多い方が立派というイメージも定着したのかもしれません。
 法名を記すものは漆塗りのお位牌ではなく、法名軸を使います。絵像の本尊と同じ掛け軸になっています。それをお内仏の内側の壁にかけてください。
 沢山の方の法名が記す事のできる過去帳というものもあります。亡くなった代々の方の法名や命日を記録することもできる、すぐれものです。ご命日にはページを開いてお参りできます。
 法名軸は毎日見える場所に掛けるので、身近な方や最近なくなった方の法名を書くことが多いです。
 宗泉寺の取り組みとして、ここ数年は、法名を授けた方にはお通夜の時から法名軸を差し上げています。
 お寺としては宗派の風習を守っていただけるという利点が、門徒は位牌を買わなくてもすむという利点があります。もっていなくて欲しいという時はお寺にご連絡ください。
過去帳は仏具店で購入できます。お寺にお持ちいただければ住職が書きます。また仏具店でも書いてもらえます。

 お位牌って何なのでしょうか?
 位牌というのは文字のとおり「位(くらい)のカード(ふだ)」のことです。
 昔の中国の習慣で亡くなった方の官位と名前を木の札に記して祀ったものが起源なのだそうです。
 それが日本に伝わり広まったそうです。台湾の国立慰霊施設には大人の背の高さほどの大きい位牌がありました。
 法名軸も掛け軸という位牌と同じ中国から伝わったものを使っています。しかし位牌と違い語尾に位を付けませんし、飾りの豪華さで位を表すこともありません。仏教に人間の上下関係をもちいないという親鸞の教えからです。

お位牌は使いません


ご夫婦をひとつの法名軸に
記すこともできます






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