儀式作法について

     お焼香について    
     よっぽどお嫌いなのか、ご法事でお焼香が始まったとたんに窓を開けに走る方がいます。なぜご法事ではお焼香をするのでしょうか?
 お焼香はもともとお釈迦様の生まれたインドから伝わった習慣です。インドは暑い国です。においをおさえるために、お香を体に塗ったり、衣服につけたりして、良い香りをさせる習慣がありました。それが仏教の儀式に取り入れられたものです。
 良い香りは、心を爽やかにし、体を落ち着けます。どんなに素晴らしい場所にいても臭いにおいがしたらそこにはいたくありません。
 心を静め、体を楽にし、そこに居てもよい気持ちにさせる効果があります。
ですから、居心地の良い場所、尊い方がいらっしゃる場所を表すために香を焚くようになりました。
 お経には「散華焼香」とあります。花をまいて香をたいて、仏法の場所を飾ると説かれています。
 また他のお経には、香りの功徳について書かれております。
 伊蘭という最も臭い植物が群生して四百キロ以内の生き物は狂い死ぬような場所でも、栴檀という良い香りの植物が芽を出せば、たちまち世界は素晴らしい香りに包まれる。
 解説しますと、苦しい心の中でも、仏教の種が芽吹けば世界はすぐに安らかな場所になるという例え話として使われております。
 抹香臭いといって嫌う方もいらっしゃいますが、香を焚くことは心を静め、「日常の心」から「教えを聞く心」に切り替えるスイッチです。
 そして、仏の姿を見る。仏の教えを聞く。仏の世界を嗅ぐ。仏の場所に居る(ふれる)。仏の食事をたまわる。五感の全てを使って荘厳な場所を作り上げる大切な要素です。
 私も皆さんと一緒に気持ちの良い場を作っていきたいと願っております。
 さて、浄土真宗ではお焼香には二つのやり方があります。
 一つ目はお線香を焚く方法です。おもに毎日のお参りでします。
 真宗の特徴としては、お線香を立てずに寝かせるという事です。お線香は何回折ってもかまわないので香炉に寝かせられる長さにしましょう。
 二つめは、沈香、抹香を炭にくべる方法です。法要など大切な日にします。
 真宗の特徴としては、頭に押し頂いて焼香をしません。指でつまんだら炭にくべる動作を二回します。
   
     

   
真宗大谷派のお焼香の仕方

 前の人の真似や、テレビで見た方法でしてしまうことも多いお焼香ですが、どんな風にするのがいいのでしょうか。

◆真宗大谷派のお焼香の作法
1. 静かに座り、ご本尊を仰ぎ見ます。
2. 片手を机にそえるか、膝の上におきます。香を軽くつまんで炭の上に置くようにします。これを2回繰り返します。
 注意:額に押し頂いたりはしません。
3. 静かに、合掌します。
4. 合掌が終わったら、膝の上に両手を置き、軽く頭を下げます。
5. 静かに立ち上がり、退きます。
焼香はご法事や葬儀の際でないと使う機会がないかと思いますが、今一度、作法を確認してみてください。
   

   
お線香を寝かせる?
     大概の仏教ではお線香を立ててお参りをします。ですが浄土真宗ではお線香を寝かせます。
 お線香で時間を計ってお参りしましょうというお参りの仕方をしないためです。
 ですから香炉の大きさによって、数回折ってから火をつけて香炉にくべます。
 香とはご本尊にお参りする時に五感を全て使ってお参りをするための道具の一つです。
 よい香りを焚くことで嗅覚から、きよらかな世界を思い浮かべるためのものです。
 また香りと思い出は関係の深いもので香を嗅げば、お参りしていた父母の姿を思い出すという方も多くいます。
 お線香は香りが大切だから立てる必要がないのです。
   





真宗大谷派のお寺に出来ること
名称 内容
月忌(がっき)・
月参り
毎月の御命日に、法要をします。
年忌
(一周忌・三回忌等)
毎年の御命日に、法要をします。
枕経 亡くなった日から通夜の間に、法要をします
通夜葬儀式・
還骨勤行
亡くなった人をご縁に、法要をします。
中陰勤行
(初七日・四十九日等)
御命日から六日後に初七日、以後七日毎に法要をします。
納骨法要 お墓・納骨堂等に骨を納めるときに、法要をします。
墓碑建立法要 お墓の改修や新しくお墓を建てたときに、法要をします。
入佛法要
(おわたまし・ごいし)
お内佛(佛壇)を新しくする等で、本尊をおむかえする時に法要をします。
上棟式 建物を建てる前に法要をします。
結婚式 仏前で2人の結婚式の法要をします。
初参り 子どもが生まれて始めてのお参りをします。
お盆(7月か8月)・
お彼岸(春と秋)
季節をご縁にお参りをします。
門徒報恩講
(おとりこし)
ご自宅で報恩講の法要をします。
修正会 お正月にお寺にお参りします。
報恩講(ほうおんこう) 親鸞聖人のお話を聞く法要です。
花まつり 4月8日にお釈迦様が生まれたことをお祝いする法要です。
永代経 お経が永く伝わっていることを慶び、後に伝える法要です。
聞法・聴聞 お話を聞く事です。
輪読 同じ本をみんなで読むことです。
他多数 理由をつけて集まる機会を作ります。
注:
地方によって名称が違うものがあると思います。
色々な法要があるというサンプルです。やらなければならないと考えないで下さい。




真宗大谷派の葬儀の荘厳(祭壇)

真宗大谷派の葬儀の荘厳は、シンプルです。
宮殿を飾りません。鶴亀・香炉・花瓶を備えます。


     地鎮式も仏教式でできます    
 湘南地域で地鎮式を執り行いました。ホームページを見て連絡をして下さった方でした。
 仏式でやったと印象に残る式にして欲しいですとお願いされたので、どんな事をすれば面白いか考えた末、花びらを投げるという方法にしました。これは散華といって教典に「仏様が姿をあらわす時に空から花が舞い散る」という事が説かれており、それを再現した儀式です。
本来は本堂を建立した時などにする儀式ですが印象に残るだろうと思い、住職の判断で執り行いました。
 当日は花瓶用のお花だけを用意して頂き、その他の仏具やご本尊は住職が車に積み込んで行きました。
 法要後は「仏式でやってよかった」と言っていただけました。
 仏教徒でしたら仏式による地鎮・棟上式をして欲しいと願っております。

法要にお話をする住職
「土地を買っても、家を買っても、それは誰のものでしょうか?」


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253-0081 神奈川県茅ヶ崎市下寺尾2085 浄土真宗大谷派 宗泉寺